昔の銀河団がモダン!?

100億年前の銀河団が、すでに現代並みに成熟していた!

遠方の銀河団ClG J02182-05102[NASA/JPL-Caltech/Subaru]  日本のすばる望遠鏡とアメリカ航空宇宙局NASAのスピッツァー赤外線観測衛星が共同で遠方の銀河団を観測したところ、奇妙なことが分かりました。

 この銀河団ClG J02182-05102 は、宇宙が誕生して40億年ほどしか経っていない、96億年前のものです (距離に換算すると、約145億光年先)。 写真では、赤い小さな点として写っています。

 銀河団は衝突合体を繰り返しながら成長し、中の銀河も進化していきます。 
 遠方の銀河団は、それだけ昔の状態を見るわけですから、未成熟なはずです。

 ところが、銀河団ClG J02182-05102は、十分な数の銀河を持ち、その銀河も現代の銀河に匹敵するほど立派なものでした。 成熟していたのです。
 あたかも、弥生時代の遺跡を発掘したら、コンクリート製のビルが出土したようなものです。

 はたして、銀河団はそれほどまでにスムーズに成長できるものなのでしょうか? それとも、手前の銀河を誤って遠方の銀河団として観測してしまっただけでしょうか?

 今後の確認観測が待たれます。

※原文は英語ですがNASAのプレスリリースをご覧ください。

2010.5.13記(石坂

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