- 太陽系外惑星はどこにでもある!
ヨーロッパ南天文台ESOの研究者ら国際グループが、微小重力レンズ効果と呼ばれる現象を観測し、太陽系外惑星を10個発見しました。
微小重力レンズ効果は、手前の星によって背景にある遠方の星の明るさが変わる現象ですが、ごくたまにしか起きず、かつ、その名のとおり、ごくわずかしか明るさが変化しないため、観測するのが非常に難しいです。
にもかかわらず、10個も発見できたことから、研究チームは、太陽系外惑星はどこにでもあり、惑星を従えない恒星の方が例外的だ、と推測しています。
※原文:ESOのプレスリリース
★プラネタリウムのリニューアル記念番組「さがせ!第2の地球」もぜひ、ご覧ください。
宇宙には、地球とは似ても似つかない星の世界がたくさんあります。第2の地球を探して、宇宙の旅に出かけます。
- アンドロメダ銀河の中心全体に青い星が散らばっている!
アンドロメダ銀河(M31)の中心には、青い星が多いことは知られていましたが、アメリカ航空宇宙局NASAのハッブル宇宙望遠鏡HSTの研究チームらが詳細に調べたところ、これらの青い星はどうもふしぎな性質があることが分かりました。
ふつう、青い星は若くて質量の大きな、高温の星であることが多いのですが、アンドロメダ銀河中心に散らばる青い星は、暗く、小さなものだったのです。
どうやら、寿命の後半に入った星が、何らかの理由で外側のガス層を失い、高温の中心部がむき出しになったようなのです。
研究チームらは、今後、これらの青い星がなぜ外層を失ったのか、その理由を突き止める観測に入ります。
※原文:NASAのプレスリリース
- Ia型超新星の定説がくつがえる?
2011年のノーベル物理学賞に関係しますが、ある種の超新星爆発(Ia型)は最大光度が一定なので、宇宙的距離を測る指標となります。
明るさが一定なのは、星の最期に残った芯(白色矮星)にじょじょに隣の星からガスが降り注ぎ、一定の重さになった時に爆発するからですが、この説が正しければ、爆発した場所の近くに、ガスを供給した星が残っているはずです。
ところが、400年前に爆発したIa型超新星爆発の残骸であるSNR 0509-67.5をハッブル宇宙望遠鏡HSTを使って観測を行なっても、全く星が見つからなかった、とのことです。
400年しか経っていないので、星がどこかに行ってしまったとは考えられませんし、同時に爆発した様子もありません。
研究チームは、じょじょにガスが降り積もったのではなく、近接した2つの芯どうしが合体して爆発したのだろう、と予想しています。
だとすると、Ia型超新星がすべて同じ明るさになるとは限らず、距離の測定精度にも影響が出てきます。
※原文:HSTのプレスリリース
- 初期宇宙に、銀河団の兆し!
これまで宇宙誕生後40億年ほど経った頃に銀河の集団(銀河団)があるのは発見されていましたが、今回、HSTによる観測で、観測されている最も古い(遠い)銀河と同じ131億年前の宇宙に、すでに5つの銀河が集まっているのが発見されました。
銀河団は、まず銀河ができてから、じょじょに集団を形成し、銀河の小さな集団どうしが合体することで成長していくと考えられていました。
宇宙誕生から6億年ほどしか経っていない初期に、すでに銀河団の兆しが発見されたことは、とても驚くべきことです。
ただし、今回は距離を正確に測ったものではないので、今後さらなる確認観測を行なって距離を確定し、かつ、別の場所でも同じように銀河の集団が存在するのか観測が必要です。
※原文:HSTのプレスリリース