初期宇宙の"国勢調査"

どのくらいの大きさの銀河が、どのくらいあったのか・・・?

 遠ければ遠いほど昔が見え、若い銀河が見えてきます。
 しかし、遠ければ遠いほど銀河は暗くなり、若ければ若いほど銀河は小さく、やはり暗くなります。
 銀河が、いつ、どのようにして誕生してきたのかを知るためには、初期宇宙の"国勢調査"が欠かせませんが、暗く小さな銀河をピックアップするのは至難のわざです。

 今回、ヨーロッパ南天文台ESOのウルトラ・ビスタ計画によって、117億〜130億年前(ビッグバンから7億5千万〜21億年)の宇宙に、予想以上に大型の銀河が存在することが明らかになりました。
赤丸は初期宇宙で見つかった大型の銀河(?ESO/UltraVISTA team. Acknowledgement: TERAPIX/CNRS/INSU/CASU)

 満月4つ分くらいの範囲に、574個もの若い、それでいて大きな銀河が見つかったのです。
 これは「若い銀河ほど、ちいさいはずだ」という予想を覆すものです (※「熟しきった若い銀河」)。
 銀河は数十億年かけて合体によって成長すると考えられていますが、理論的予測より、銀河の成長ははるかに速いのかもしれません。
 銀河誕生のナゾがさらに深まりました・・・

※原文は英語ですがESOのプレスリリースをご覧ください。

2015.11.26記(石坂

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