アイソン彗星、直前情報 |
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見えるか?アイソン彗星・・・アイソン彗星(C/2012 S1)が、11月29日に近日点を通過する、ということで大彗星への期待が高まっています。アイソン彗星は、空のどこに、どんなふうに見えるのでしょうか・・・? ●2013年11月下旬〜12月上旬のアイソン彗星の位置右の図に、11月下旬から12月上旬のアイソン彗星の位置をプロットしてみました。11月下旬には、おとめ座→てんびん座領域を移動します。 彗星(ほうき星)は、“汚れた雪玉”とか“凍った泥団子”などと呼ばれています。 太陽に近づくと、熱で氷が蒸発し、チリ(汚れ、泥)やガスが放出されます。 よりたくさんのチリが放出されれば、彗星はより大きく、明るくなり、長大な尾を見せてくれます。 でも、その彗星がどのくらい明るくなり、尾がどのくらい伸びるのか、ということを事前に予測することはとても難しいのです。 特に、アイソン彗星は今回、初めて太陽に接近するので、前回どうだったか、という情報もありません。 実際に見てみるまで分からない、というのが正直なところです。 当然ながら、太陽に近づいた時に氷が蒸発しやすく、彗星は明るくなりますが、11月29日の近日点通過前後はアイソン彗星が太陽のすぐ近くにあるため、観察することができません(近日点通過の前後は、NASAの太陽観測衛星SOHOのリアルタイム画像で確認できるかもしれません)。 ●見ごろは2013年12月上旬11月29日に近日点を通過した後、12月の上旬〜中旬ころがアイソン彗星の見ごろです(月明かりも邪魔になりません)。 ・ 明け方(5:30〜6:00ころ) ・ 東の低空 ・ へびつかい座〜へび座(頭)〜ヘルクレス座 にあります。 図では、かなり立派な尾が描かれていますが、本当にこう見える、という保証はありません(希望はあります)。 多くの場合、双眼鏡で見ると、ふつうの星とはちがい、ぼーっと白く淡く広がる丸い小さな雲のような感じです。 残念ながら、今のところ、アイソン彗星は太陽に近づいていても、発見当初の予測よりも暗めに推移していますが、太陽に近づき、順調に明るくなってきてはいます。 12月上旬の見ごろの時期では、3〜4等級ほどの明るさになるだろうと言われています。 どうやら、アイソン彗星の本体の直径は3〜5kmと、比較的小さいようです。 アイソン彗星は、太陽の表面からたった120万km(太陽1個分も離れていないところ)を通過します。 小さ目の彗星が、こんなにも太陽の近くを通ると、バラバラに砕けたり、完全に蒸発してしまったりで、消えてしまうこともあります。 アイソン彗星が近日点後も分裂せず、生き残れるかどうか、専門家の意見も分かれています。 でも、もしもアイソン彗星が無事、生き残り、かつ、バラバラではなく、ほどよく分裂すると、たくさんのチリが吹き出し、予測をはるかに超える立派なほうき星に化ける、かもしれません。 ともかく、実際に見てみないことには、はじまりませんので、12月上旬の未明、東の低空に注目してみましょう! ★東の方角に障害物(ビル、山、木立等)がない場所で、双眼鏡(バードウォッチング用でいいです)+三脚があると見つけやすいです。 ★明け方は強烈に冷え込みますので、十分な防寒具をご用意ください。 ●参考になるサイト2013.11.12記、2013.11.20改(石坂) |