木星の小赤斑その後 |
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赤斑ジュニアと大赤斑の最接近太陽系最大の惑星・木星で、大赤斑と一回り小さな"赤斑ジュニア"が衝突コースにあることを前回報告しましたが、 どうやら、衝突は避けられたようです。この写真はハワイ島マウナケア山頂に位置するジェミニ望遠鏡が撮影した木星の近赤外線画像です。 赤外線なので、可視光で見た木星の画像とは色が違っています。 この画像で白く映っているのは最も上空にある雲、 青い部分はそれより低い大気層、赤い部分は最下層の雲です。 極地方のオレンジ色は木星上空の靄です。 可視光で(目で見たとき)赤く見える大赤斑は近赤外線画像では白く見えていて、 大赤斑がまわりの大気層より盛り上がっていることが分かります。 赤斑ジュニアは7月末に大赤斑に最接近しました。 合体するかも、と期待されましたが、どうやらこのまますれ違ってしまうようです。 ただ、赤斑ジュニアはもともとは白かったのに、最近赤くなりました。 なぜ赤くなったのか(大赤斑はなぜ赤いのか)は良く分かっていません。 渦によって内部の大気成分が引き上げられ、太陽光によって化学変化を起こしたのではないか、とも考えられています。 渦どうしの接近により、渦の回転スピードが変化するようなことがあれば、赤斑ジュニアの色がまた変わるかもしれません。 今後も2つの渦の動向には要注目です。 木星は2006年8月現在、てんびん座領域にあり、午後9時ごろ南西の空でとても明るく見えています。 ※原文は英語ですがジェミニ天文台のプレスリリースをご覧ください。 2006.8.3記(石坂) |