光る生物−ホタル
ルミノール反応については、前の記事でお話させていただきましたが、薬を混ぜるとルミノールのように光を出すものがあります。薬品を混ぜ合う化学反応は、熱を出したり、冷たくなったりするものが多いのですが、中にはこのように光を出すものもあるのです。
さて、タイトルにもありますが、生き物にも光を出すものがあります。ホタル、ホタルイカなど。これら生物も体内で薬が反応して発光しています。
このような生物発光がきちんと調べられたのは、1885年に発光昆虫ヒカリコメツキがもつ発光組織から発光酵素と発光物質が見つかったのが始まりです。そして、この酵素をルシフェラーゼ、発光物質をルシフェリンと名付けられました。
ホタルの場合は、ホタルルシフェラーゼとホタルルシフェリンによって発光します。
ホタルルシフェリン+ATP(アデノシン三リン酸)−(ホタルルシフェラーゼ、Mg2+)
→ホタルルシフェリン−AMP(アデノシン5−リン酸)
ホタルルシフェリン−AMP+O2−(ホタルルシフェラーゼ) → 発光
ホタルの発光はこのようにして光りますが、出てくる色の違いは、酵素であるホタルルシフェラーゼの違いによると言われています。ちなみにゲンジボタルの発光波長は544nmで緑色を示します。
インドネシアなど熱帯地方の大木に、無数のホタルが群がることがあるそうです。すると、木全体が息づくように発光する、クリスマスツリーのような光景が見られるそうです。大変神秘的なようすをぜひ、一度見てみたいものですね。
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