2000年ノーベル化学賞に白川英樹氏
今月10日、スウェーデンの王立科学アカデミーは、2000年のノーベル化学賞を筑波大学名誉教授の白川英
樹氏と共同研究者であるカリフォルニア大アラン・フィーガ−教授、ペンシルバニア大アラン・マクダイ
アミッド教授に贈ることを発表した。
プラスチックは電気絶縁体であると考えられていたが、白川氏らは
これまでのプラスチックの常識を覆す、電気を流すことができるプラスチック、伝導性プラスチックを発
見し、今回の受賞につながった。
白川氏は1966年ころから、高分子に電気を流すことを目的とした研究をはじめた。
あるとき、研究材料である高分子のポリアセチレンの合成実験をしていた際に、
チーグラー・ナッタ触媒の量を誤って通常の1000倍近い量
を加えてしまったことがあった。その結果、ポリアセチレンの金属光沢のある薄膜ができたこと
が、この研究成果の偶然ともいえる大きな転機となった。
電気絶縁体と考えられていたプラスチックであるが、プラスチックが元来持っている金属に比べて軽く
てしなやか、加工性に優れ、原材料コストも安いなどといった特性に、白川氏らの発見が加わることに
よって、発光ダイオード、携帯電話のディスプレーへの利用、その他これまでの私たちの生活に大きな変
化をもたらしてくれると期待されている。
スウェーデン王立科学アカデミーのノーベル化学賞のページ:
http://www.nobel.se/announcement/2000/cheminfoen.html
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