生命物質の謎に光明? |
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なぜ地球上の生物はL型アミノ酸だけからできているのか化学物質、特にアミノ酸や糖など、生命の素になる物質の分子の多くは「鏡像異性体」 を持ちます。「鏡像異性体」とは構成元素も分子量も構造も全く同じなのに、鏡のこちら側とあちら 側(鏡に映ったもの)、あるいは右手と左手のような関係にある分子のことです。 化学的に分子を合成すると必ず右手型(D型)と左手型(L型)が同数できます (これを「ラセミ混合物」といいます)。 しかしながら、なぜか地球上の生物は一部のバクテリアを除いて 全てL型アミノ酸とD型糖類だけ から構成させているのです。これを「生命の単一掌性」といい、長い間その起源や理由が 謎でした。鏡像異性選択的磁気立体異性光化学合成の成功 今回、グルノーブル高磁場研究所の Rikken と Raupach は静磁場をかけた状態で
分子の光合成実験を行い、右手型もしくは左手型のどちらかが選択的に合成されたことを
英国の権威ある科学雑誌NATUREで発表しました。
地球上にしろ宇宙にしろ磁場も光もありふれています。地球はたまたま
L型に偏った場所に生まれたので地球生命がL型アミノ酸を選択したのかもしれません。
原論文:Nature 405, 932-934 (2000) |