木星のオーロラに残るガリレオ衛星のあしあと
アメリカNASAのハッブル宇宙望遠鏡が木星のオーロラを撮影したところ、
木星の衛星であるガリレオ衛星の”あしあと”が写っていました。
オーロラは高エネルギーの電気を帯びた粒子が惑星の磁場に沿って降り注ぎ、
惑星大気を光らせる現象です。その点では木星のオーロラと地球のオーロラはよく
似ているのですが、高エネルギーの電気を帯びた粒子がどこで生じているのかは
木星と地球では違っています。
地球の場合は、太陽からやってくる電気粒子(太陽風)がいったん、地球磁場の
しっぽ(夜側)に溜められてから、何らかのきっかけで地球に降り注ぎオーロラになり
ます。
それに対して、木星の場合は木星をめぐるガリレオ衛星から電気粒子が生じて
木星に振り注いでいるらしいのです。
今回、ハッブル宇宙望遠鏡が木星のオーロラを観測すると、オーロラのところ
どころに明るい点があり、それぞれガリレオ衛星から伸びている電気粒子の流れの根元と対応していることが分かったのです。
まるで木星の上につけられたガリレオ衛星のあしあとのようです。
来年の1月にはハッブル宇宙望遠鏡と土星に向かっているカッシーニ探査機による
同時観測が行なわれ、よりくわしく木星のオーロラが調べられます。
これにより、オーロラ発生のメカニズム、木星大気の成分や構造などについて新しい知見を
得られることが期待されます。
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